アカデミー 1/48 T−33A (航空自衛隊)

アカデミーのT−33A

もともとは、15年位前にホビークラフトから発売された物と
同じ金型で作られた物の様です。
ボックスアートは朝鮮戦争時代の米空軍67FISですが
このキットは、航空自衛隊のデカールが入っている特別版で、
米軍のデカールは入っていません。

キットは、まあ15年前の物ですから、
そこそこの出来と言えるもので、
全面凹モールドですし、形も良いと思います。
コクピットも精密なモールド表現で良いのですが、
計器やコンソールの位置や形がアヤシイ・・・。
シートはモノグラムのP−80にそっくりで・・ちょっと厳しい。
主脚収納庫は、かなりあっさりした出来で側面がツツヌケ。
まるで1/72並みです。
フラップが別部品で、下げた位置に固定できます。

デカールはとてもキレイに印刷されており、フィルムも薄そうで、
海外の別売りデカールに匹敵・・しそうに見えます。
(実際には貼るまではわからないのです)

サニーさんの企画に感謝せねばなりませんね。
実際、空自デカール版は相当売れたんじゃないですか? 
そうそう、F−86F−30の空自バージョンも最高の出来でした。

航空自衛隊のT−33A

マーキングは、一番身近に感じていた総飛の機体にしようと思います。

また、シートを何とかしたかったので、
バーリンデンのディティールアップパーツセットを入手しました。
このセット、かなり凝った内容でガンベイを再現できるようになっています。
折角なのでガンベイ内部再現に挑戦してみることにします。

別売デカールと、ディティールアップパーツ等

製作の参考になればと思い、編集して見ました。ここをクリック

※写真をクリックすると大きいサイズの画像が表示されます。

写真 説明
キット付属のデカール。
とってもキレイなデカール。このままデカールだけでも販売出来そうです。
これが入って¥2000なら安いと思いませんか?
収録部隊数も多く、総飛、偵空(旧)、1空団33SQ、1空団松島分遣隊、8SQ(旧)、10SQ、
その他は最近のステッカータイプの飛行隊マークが10種類収録されています。
特に良いと思えるのは、各飛行隊のマークと尾翼シリアルナンバー、
コクピット脇の小さいシリアルナンバーが全てセットになって用意されていることです。
欲を言えば、尾翼に直接ペイントしていたマークを
もっと入れて欲しかったと思うのです。
個人的には、203SQ、207SQ、302SQや、
サンサンならではの点検隊、西空支援隊が入っていれば満点です。
ステッカータイプの実戦部隊のマークは、他の戦闘機キットから
パクッて来れそうなので・・・。
サニーさんには、是非ともパート2を期待します!

総飛と偵空のブルーはちょっと濃すぎる様です。
この写真はかなり明るく写っているので、違和感は感じられませんが、
肉眼で見る限りは濃紺になってしまっています。
はてさてどうしたものか・・・
エアインテーク
このキットのウィークポイント。
インテークリップは、まるで筒を切り落とした様な出来で、
最初はインテークリップが別部品だと思い込み、さがしてしまいました。
ですが、ここに取り付けるパーツなど初めから無いのでした。
それでも何とかなるもので、外側から丸みを持たせるように削り込んで
見ました。少しは実機に近い雰囲気を出せたと思いますが・・・

ただし、このキットのインテークは、そもそも形がおかしいので
あまり気にしない方が良いかも知れません。
インテークベーン
キットの物は分厚くもっさりしているので、内側の整流板ともども
薄く削ってシャープさを出してみました。左が加工後、右は加工前です。
実はインテークとのフィッティングの方が問題なのですが・・・
ノーズコーン
機銃口部分がスッポリ抜けていますが、ここは機銃の有無を選択できるように
2種類のパーツが用意されています。
まあ、それは良いとしても問題はその他の部分。
そもそも機首部分はP−80と共通なので機銃口もあるのですが、
自衛隊の機体は6ヶ所全てパッチで塞いでいました。
ところが、他国の機体では機銃口パッチすら無い写真もあり、
生産当初より機銃を積むことを想定していない機体で、
このキットはそういったタイプを再現しているのだと思います。
米空軍の機体はアンテナの類が取り付けられていたのか
下部も黒く塗られています。
逆に、自衛隊の機体は、「いざと言う時は・・」的な考えもあったのか、
現に、生産中の古い写真ではガンベイ内に弾倉が付いています。

と言う訳で、6ヶ所のパッチを再現しなくてはなりません。
さてさて、どうしましょうか。
モノグラム P−80との比較
インテークの事が気になって、モノグラムのP−80を引っ張り出してきました。
上がモノグラム、下がアカデミーです。
実機のインテーク形状は、モノグラムのように前の方が下に垂れ下がる様に
曲がっています。アカデミーの方は真っ直ぐですね。
また機首の長さが妙に違います。
モノグラムは若干短く、アカデミーは若干長いのでしょう。
これは、各機固有のイメージを追及した結果のデフォルメなので、
個人的にはそれぞれ問題は無いと思います。
ただし、アカデミーの機首は長い分、上から見たときに細く感じてしまいます。
モノグラム P−80との比較
主翼形状については、ほとんど同じ様に見えます。
モノグラムの方は、JETO取り付けフックまで再現されていますが、
アカデミーの方はツルンツルンで、寂しい限りです。
モノグラム P−80との比較
主脚収納庫は、見ての通り全然違います。
アカデミーの簡素なこと・・中途半端なうえに押出ピン痕だらけでボコボコです。

モノグラムのP−80は私の年齢と同じくらいの、それこそ大昔のキットですが
このリアルな彫刻は不滅です。
エアブレーキも・・・あああーっ そっくりそのまま移植したい!
バーリンデンのディティールアップパーツセット
欲しいと思った時には、日本には在庫が無くて、
インターネットを通じてアメリカから輸入しました。 $27
エッチングパーツ
銅板製の大きなもので、キャノピー枠まで入っています。
こんなもん使えるの?
よーく見ると、エッチング液の洗浄不足によるものか、腐食が進んでいます。
計器板のモールドも甘くて、ちょっとガッカリ。
コクピットのレジンパーツ
左側が、キットのコクピットパーツ。
シートはモノグラムの物に酷似しています。フムフム・・・
右のバーリンデンの物はさすがに良く出来ています。
出来れば、ベルト類は一体モールドにして欲しかったんですが・・・
その他のレジンパーツ
キャノピー枠、ガンベイの内壁、脚カバー、エアブレーキ、フラップ。
問題はフラップ。写真でもわかる通り、湯が回りきっておらず、
極薄になった所に穴が開いています。
これじゃあ裏打ちしないと使えないですねえ。
板金屋になった私
ガンベイ・ドアは、エッチングパーツを曲げて作ります。
当然ながら3次曲面なので、板金屋さんの様にハンマーで叩いて
機体形状に近づけていきます。ハンマーは、とがった方を使います。
また、写真ではカッティングマットが写っていますが、
この上で叩いたりしたらボコボコになってしまいますので、
実際には万力の上で作業しています。
機体に貼り付けるのではなく、開閉可能にする訳でもないので
だいたい合っていれば良いでしょう。止め時が肝心です。
ドアの内側に付ける内張のパーツも、ドアに合わせて曲げて置きます。
こちらは、叩いてしまうとモールドが台無しになってしまうので
「手曲げ」で作業しました。エッチングにより薄くなっている部分と、
肉抜きされている部分が多いので柔らかく、手で曲げられます。
「手曲げ」って言葉も懐かしいな。「モリワキ手曲げ直管」とか・・・
金属パーツは可能な限り、ハンダ付けで組みました
インテークベーンの内側が空っぽなので、プラ板で延長。
インテークの内側。延長したプラ板を、またまたプラ板で補強。
インテークベーンを接着後、隙間だらけになるインテーク内部を
エポキシパテを盛って成型。
エアブレーキ開状態にするので、その部分を切り取ります
ガンベイ内部の工作に着手。
まずは、胴体のドア部分を切り取り〜成型。

ちなみに、転がってるコックピットのパーツはブラックボックスの物です。
ガンベイの床パーツは、前脚収納庫と干渉するので、
お互いを削って合わせます。