チェコモデル 1/48 JRF グース

軍よりも民間での実績の方が大きい、傑作小形飛行艇のグースですが、
何故か、まともなスケールモデルのキットは存在しませんでした。

今まで大手メーカーが埋めてこなかった穴を次々と埋めてくるようになった
東欧メーカーから、スウォードが72を、チェコモデルが48を
それぞえ相次いでキット化したんですが、やはり海自が使っていた機体とくれば
こりゃ一つ日の丸仕様で作ってみっか、と48の方に手を出したわけです。

スウォードの72には、海自のデカールも付いていたようですが、
チェコモデルの方は、米海軍3種、英軍1種のデカールのみなので
マーキングは自前でやることになりますが、マーキング自体が単純なので
なんとかなりそうです。
実機は海自発足して間もなく、米海軍より4機供与されて6年程運用されたそうです。
運用期間は短いものの、アベンジャー同様、供与時はシーブルー1色だったものの、
米海軍の塗色変更にあわせ、途中からガルグレーに塗りなおされています。
数少ない資料写真を見ると、ガルグレーになってからの写真では、
機体各部が色々と改修されているようなので、余計な工作が必要ない
運用初期の仕様=シーブルーで仕上げるつもりです。

キットは簡易インジェクションながら凹のスジボリで、プラはやわらかく作業性は良いです。
ただ、細部パーツはモッサリした出来で、タイヤやエンジンもプラでパーツ化されているものの
レジンパーツも入っており、説明書ではプラパーツを不要部品として扱っています。

とりあえず胴体から手を付けました。部品分割はオーソドックスで
左右割の胴体に、主翼上面が左右一体で、左右の主翼下面を合わせて
胴体に上からはめ込むというものです。

客室の窓が入る穴は小さいので、透明パーツのサイズに合わせて
広げてやります。どっちみち透明パーツもろともサンディングしちゃうので
フィッティング自体には気を使わず、ただ一点、
各窓の位置が上下にずれないようにしながら適当に作業します。
窓が入ったら、気楽に瞬間接着剤でガチガチに固めました。

主脚収納庫は、そのままでは胴体側との合いが悪いので
削り合わせが必要です。コックピット左右内側に貼るレジンパーツも同様。
前後の隔壁の合いは良好でした。
室内は床だけプラで、他は全部レジンです。
客席にはシートベルトがモールドされているのに、
コックピットのシートはのっぺらぼうでした。
完成後はほとんど見えなくなる客席はどうでもいいから、
完成後もよく見えるコックピット席のベルトはモールドして置いて
欲しかったですね。小さなエンジンも良く出来てはいますが
プラグコードが無い・・・
主翼、水平尾翼、ラダー等、張り合わせれば出来てしまう部分は
真っ先に接着してしておきました。
とりあえず室内が組みあがったので、仮組みです。
設計精度自体はばっちりの様で、成型上ダルくなってしまう部分を
修正すればピッタリ合います。
室内の塗装、組み付けも完了。計器版はプラで、計器の針や目盛りまでは
モールドされていませんが、完成後はほとんど見えないのでかまいません。
それより、接着位置があいまい過ぎでどうやって付けたら良いんだか
全然わかりません。結局、ブラ板を介して適当に固定しました。
後からキャビンを組み込んでみたら、シートの位置が前に寄りすぎ・・
組み方にもよるとは思いますが、床の後端が長かったので
2ミリほど切り飛ばして合わせています。
ちなみに、室内の色や塗り分け等、まったくの創造です。
コックピット席のショルダーハーネスも、民間機では付いて無いのが正解。
軍で使われた機体がどうだったかというのはワカリマセン。
なんとか形になりました。左右胴体の合いは、床や隔壁の干渉を排除しさえすれば
ほぼぴったり合いました。キャビン上部のアンテナマストと、後部胴体の
アンテナ? は真鍮帯材と真鍮パイプを成型して自作。
胴体中央上部のアンテナも、キットのものとは形状が異なるので
積層ブラからの削り出しです。
機首上面には、舫をかけるフックがあるのですが、キットのパーツは
太過ぎで使い気にもなれず、真鍮線で組んだんですが、
いじっているうちに壊れちゃうので、あきらめました。
艇体のエッジがきれいになるように気を使いました。
主翼下面付け根も合いは良かったです。
水平尾翼の支柱は、水平尾翼側に取り付け位置を示すモールド等が
無いので、胴体側で合わせて接着位置を決めました。
キャビンのウィンドウはフロント・サイド一体の透明パーツで、
左右割にされていますので、予め接着して置きましたが、
いざ、組みあがった機体にはめ込もうとすると少し幅が足りず、
天井部分に切り込みを入れて楔を打って調整しました。
サイドウィンドウ部分は、中にめり込まないように、胴体側の
接合部にプラの帯材でガイドを付けて置きました。
塗装完了。
機体色はグロスシーブルーで、Mrカラーの飛行機色セット3に
入っている365番を使いました。71番は廃番にして、この365番を
単品売りにして欲しい。何でセット売りにするんだろう?
模型店の塗料棚に入らないから? 
そんなこたーユーザーには関係ないでしょうに。
日の丸は塗装しましたが、白ふちが太過ぎましたね。
どうにもサークルカッターが上手に使えなくて
歪んだ日の丸になってしまいます。
次はデカール貼りです。
デカールも貼り終えて、エンジンもタイヤも付きました。
普段はジェット機ばかり作っていて、
古いレシプロ機はあまり作らないものだから
慣れていない作業は時間が掛かりましたが
逆にそれが新鮮味もあって工作は楽しいものでした。
あとは、アンテナ線を張れば完成。
実機の写真を見るとアンテナ線はてろ〜んとたるんでいるんですが、
模型で自然にたるませて張るのってどうやるんだろう?
まっすぐぴんと張るほうがよっぽど簡単。
この機体はフロートに張線があるのですが、張線なんてやったことないし
テグスや糸を使うとか、細い金属線を使うとか材料も工法も色々ある様なんで
どうしたものかと考えていましたが、結局はなじみのある真鍮線で張りました。
これも初めて使う0.2ミリの極細でふにゃんふにゃんの繊細な材料でしたが
何とか出来ました。フー、やれやれです。