本文へジャンプ

飛行機の写真を撮ろう・デジタル編


デジタル時代のカメラ選び・その1
デジタルカメラ全盛の時代、いまさら銀塩フィルムでも無いだろう
と、思いつつも先立つものは無し、現有のミノルタ一眼レンズを
どうしたものかと、時は過ぎ・・
いまや、新生コニカミノルタからもデジタル一眼が発売され、
旧ミノルタユーザーにとっては一応購入対象なワケですが
色々と思うことあって様子見の日々を過ごしておりましたが、
結局、持っているミノルタレンズを使い続けることにして、
現在はαスイートデジタル、α100を使っています。

さてそこで、今まで一眼レフ、一体型問わず色々と検討してきたことで
得られた情報を元に、私なりのカメラ選びについてまとめてみます。
あくまで飛行機の撮影を前提にしておりますが
何かのお役に立てればと思います。

まずは、カメラに求める機能、性能について
見極めるポイントを挙げてみます。

ポイント1:焦点距離
ポイント2:AF(オートフォーカス)スピード
ポイント3:シャッタースピード優先AE
ポイント4:手ぶれ補正機能
ポイント5:連続撮影可能枚数
ポイント6:ファインダー

ということで、銀塩フィルム時代とあんまり変わらない・・・
とは言うものの、銀塩フィルム時代はこれらの要求性能を
満たすカメラは一眼レフしかありませんでした。
ところが、フィルムに取って代わる撮像素子のサイズが
35ミリフィルムに比べると圧倒的に小さいことから、
小型のカメラにも高倍率・長焦点域のズームレンズが
搭載可能となり、また、光学式手ぶれ補正ユニットも小型化
および量産効果によるコストダウンが進み、
一眼レフでなくとも魅力的なスペックを持ったカメラが出てきました。
デジタル時代のカメラ選び・その2

それでは具体的に各社のカメラについて検討してみましょう。

コンパクトタイプ

コンパクトタイプのデジカメと言って、一括りにしてしまうには勿体無いほど
多くの機種が存在し、次から次へと新製品が出てくるので把握しきれない位です。
大抵の機種が、35ミリ換算 35ミリ程度からのズームレンズを搭載していますが、
望縁側が短いので、航空祭のデモフライト等、飛んでいる飛行機を撮るには適していないと思います。

ただデモフライトは他のカメラにまかせて、地上展示機撮影用と割り切ってしまうという考えもあります。
ただ、広角側が35ミリ換算で35ミリ程度だとチョット足りません。ロープ際で撮ろうとすると
機体全体が画面内に収まらない・・やはり28ミリくらい画角が広くないと厳しいです。
ところが、28ミリ程度からのズームレンズを搭載した機種は意外と少なく、
それだけでかなり対象機種が絞られてきます。

一体型、ハイエンド

望遠端で400ミリ近い高倍率のズームレンズを搭載した機種は、かなり前からありました。
ところが、当時の製品には手ぶれ補正は搭載されておらず、またプログラムオートのみで
シャッタースピードが任意で設定できないのでは、まともな写真は撮れそうもありませんでした。

高価なハイエンド機ではマニュアル露出以外に、シャッタースピード優先AEも搭載されていましたが
実効感度が低い為、手ブレを抑制するシャッタースピードでは撮影できそうも無いという状態でした。

パナソニックから手ぶれ補正付きのFZが発売された時は、画期的というよりは、
「やっと」と言いますか、とにかく「これは使えるかも」と購入を検討しました。
実際に、この機種は大ヒット商品となりました
ところが、やはりコンパクト機の流れで出てきた為か、露出はプログラムオートのみ、
オートフォーカスについては未知数ということで、早々にあきらめました。
(パナソニックは、早々に次機種で、A/S各優先モードを付加、
この辺はユーザーの要望が多かったのでしょう)

まあ、昔話はこの辺にして・・

今ではパナソニックのFZシリーズもコンパクトな一桁番台とハイエンドの2桁番台に別れており
なかなか魅力的です。他のメーカーもパナソニックの大ヒットに追随する様に
高倍率&手ぶれ補正搭載の製品を投入し、しのぎを削っています。

いずれの機種にも共通することですが、
ファインダーはEVFと呼ばれる小さな液晶画面に映された画像を見る方式で
この方式では若干のタイムラグが発生します。オートフォーカスも速くなって来ている様ですが、
望遠端でどの程度追随するのか気になります。高速AFモードを搭載した機種には興味のあるところです。
連続撮影枚数は、コスト面でバッファメモリ容量が少なく物足りなさを感じます。
パナソニック 35mm判換算 露出制御 実勢価格

LUMIX DMC-FZ50

EDレンズを使用した7.4〜88.8mmのライカレンズを搭載した上位機種。光学式手ぶれ補正、800万画素、手動ズームリング、高速3点、高速1点AFモード。 35〜420mm相当 P/A/S/M 6万〜

LUMIX DMC-FZ8

6〜72mmのライカレンズを搭載。光学式手ぶれ補正、500万画素、高速1点AFモード。 36〜432mm相当 P/A/S/M 4万〜
コニカミノルタ 35mm判換算 露出制御 実勢価格

DiMAGE Z5

5.83〜69.9mmのズーム、高速AF、CCDシフト方式手ぶれ補正。500万画素。 35〜420mm相当 P/A/S/M 消滅

DiMAGE A200

APOレンズを使用した7.2〜50.8mmのズームレンズ、CCDシフト方式手ぶれ補正。800万画素。 28〜200mm相当 P/A/S/M 消滅
キャノン 35mm判換算 露出制御 実勢価格

PowerShot S3 IS

UDレンズを使用した6.0−72.0mm のズーム、500万画素、光学式手ぶれ補正、 36−432mm相当 P/A/S/M 5万〜
ニコン 35mm判換算 露出制御 実勢価格

COOLPIX 8800

EDレンズを使用した8.9〜89mmのズームレンズ、800万画素、光学式手ぶれ補正、 35〜350mm相当 P/A/S/M 消滅
オリンパス 35mm判換算 露出制御 実勢価格

SP-550UZ

EDレンズを使用した28〜504mmのズームレンズ、710万画素、CCDシフト方式手ぶれ補正、28ミリからというのが強み。これなら地上展示機撮影にも有効。 28〜504mm相当 P/A/S/M 5万〜

上記の表に入れた機種は全体から見ればほんの一部ですが、手ぶれ補正、シャッタースピード優先機能を
搭載していることを選択基準にしています。

それから、キャノンのPowerShot S3 ISについて一言、ズーム用にUSMを採用したことを
売りにしているのですが、AF駆動には使っていないのが不思議でしかたありません。

各社ともサンプル画像を公開していますが、決まって望遠端、広角端の焦点距離で撮影した
画像がありません、なぜか中間の「いかにも画質の良さそうな」焦点距離で撮った写真ばかり。
これでは全然参考になりません。ズーム倍率を高らかに宣伝しておきながら、
サンプルは隠すようなマネは詐欺まがいだと思いますがいかがでしょう。
実際にユーザーによって、WEB上に公開されている画像を探し出して見て
判明しましたが、いずれの機種もズーム倍率を欲張っている弊害が出ていました。

Kissデジタル発売以降、デジタル一眼レフの価格が、一体型ハイエンドクラスの価格と
かぶる位まで安くなってきてしまいました。その差額と一眼レフに対しての機能面でのウィークポイントが
もはやつり合わないのではないかと思っています。

手軽に始めてみようという向きには、手ぶれ補正機能搭載の、
パナソニックFZ8、オリンパスSP-550UZ等が良いかもしれません。
ただ、ズーム倍率で無理をしているので、望遠端では色収差が残りますので、
Web公開されているサンプル画像などで検討する余地があります。

※色収差:私自身あんまりスペック的な部分には頓着しないので、
専門誌の評論のような詳しいことはわからないのですが、この色収差については、
レンズの違いを身をもって体験してきたので気になります。
現象としては、明るい部分と暗い部分がはっきりしている部分に
虹の様な模様がでて境界がにじんでしまうものです。
理屈はプリズムの分光と同じで、望遠レンズで現れることが多い現象です。

特殊低分散ガラス、異常分散ガラス等を使用する事で、この現象を抑えることが
出来る様なのですが、この様な製品は自ずからコストアップにつながります。
各メーカーで呼び方が異なるのでややこしいですね。

キャノン:蛍石、UDレンズ
ニコン、ペンタックス、オリンパス、パナソニック:EDレンズ
コニカミノルタ、シグマ:APOレンズ
タムロン:LDレンズ

ただし、これらのレンズが使用されているからといって、
完全に補正されているわけでもありませんが・・・

デジタル一眼レフ

一眼レフの利点は、何といっても撮影目的に応じてレンズを交換できることにあります。
登場当時は数百万円の値がついていましたが、年を追うごとに低価格化が進み、
私のような庶民にも、何とか手に入れることが出来るような価格まで下がってきました。
撮像素子がAPSーCサイズになると、今までのレンズが実質1.5倍程度になるというに至っては
300ミリのレンズが実質450ミリ程度になってしまうというわけで、飛行機の撮影には好都合です。

EOSKissデジタルの発売時には大いにその気になりました。
後を追うようにしてニコンのD70が発売され、一気に普及し始めたのは
皆さんも良くご存知のことでしょう。
デジタル一眼レフは、銀塩フィルム時代のAF機能、露出制御などの技術が
継承されており、画質も含め一体型カメラとは次元の違う性能を持っています。

キャノンやニコンには手ぶれ補正機能を搭載した一眼レフ用のレンズも以前から存在しましたが、
いずれも高価であり、なかなか踏ん切りがつきませんでした。
デジタル一眼レフなら、感度も十分なので銀塩フィルム時代と同じように
シャッタースピードを高くすることで、同じように撮影できるとは思うのですが
「一眼レフでも手ぶれ補正機能が使える」という事実が存在する以上、
それを使わない手は無いでしょう。

なーんて、モンモンとした日々を過ごしていたら、コニカミノルタから画期的な機種が
発表されました。ボディ側に手ぶれ補正機能を有し、どのレンズを付けても
手ぶれ補正が働くというαー7Dです。

そして現在、キャノン、ニコン、ソニー、オリンパス、ペンタックスから
手の届く価格帯で魅力的な製品がラインナップされています。

それでは私なりに、組み合わせるレンズも含めて検討してみましょう
キャノン
キャノンのAFは、その速さに定評があり、USM(超音波モーター)搭載レンズは、
ミノルタユーザーの私には、異次元の速さに見えます。
キャノンは、すでに多数の手ぶれ補正付きレンズを製品化していますが、いずれも高価です。
手ぶれ補正ユニットは、ビデオカメラで実用化された光学式で、揺れの方向とは逆方向にレンズを
傾けることにより光軸を曲げることで手ブレを補正する方式です。
常時作動していますから、その効果をファインダーで見ることが出来ますが、
電力消費量が大きくバッテリーの持ちに影響するとのことです。

手ぶれ補正機能名称:IS

(有効撮影画角は、表記焦点距離の約1.6倍に相当)
レンズ   35mm判換算  実勢価格
EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM 手ぶれ補正ユニットは1世代前のものですが、画質は文句無し。直進式ズームが使いずらいかも 160〜640mm  18万〜
EF300mm F4L IS USM  さすがに単焦点の白レンズだけあって、画質はとても良いようです。 480mm  15万〜
EF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USM  キャノン独自のDOレンズを使用したという、非常にコンパクトなレンズですが、高価なわりに画質があんまり良くないので、私なら買いません。 112〜480mm  13万〜
EF70-300mm F4-5.6 IS USM 期待の新製品。手ぶれ補正ユニットは最新のもの。画質については未知数です 112〜480mm  7万〜
EF75-300mm F4-5.6 IS USM かなり設計が古いレンズで、性能もあれでしたが新機種登場により消え行く運命にあります。 120〜480mm  6万〜

ニコン
航空機ファンにはキャノンと人気を2分してきたニコンですが、画質等も含め、あくまで硬派という印象。

手ぶれ補正にはあまり積極的ではないので、手の届きそうな価格帯では2本のみの存在です。
手ぶれ補正ユニットはキャノンと同方式の光学式。

手ぶれ補正機能名称:VR

(有効撮影画角は、表記焦点距離の約1.5倍に相当)
レンズ   35mm判換算  実勢価格
Ai AF VR Zoom Nikkor ED 80-400mm F4.5-5.6D ニコンでは数少ない手ぶれ補正搭載レンズ。もちろん画質はとても良いです。ただ、AFモーターは搭載していないのでボディ側でのAF駆動になり、AFモーター搭載レンズよりは遅いとのことです。 120〜600mm  16万〜

AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-300mm F4.5-F5.6G (IF)

やっと出た普及価格帯のVRレンズ 150〜450mm  6万〜

ソニー(旧コニカミノルタ)
業績悪化によりソニーに身売りしてしまいました
αシリーズはボディに手ぶれ補正ユニットを組み込んでいて、既存のほぼ全てのレンズで
手ぶれ補正が働くという画期的な製品となりました。撮像素子そのものを動かして
手ブレを補正する技術は、既に同社ハイエンド機で実績がありましたから
当然の採用とも言えるのですが、過去のレンズ資産のほとんどが手ぶれ補正の恩恵を
受けられるというのは、私のような旧ミノルタユーザーにはうれしい限りです。

手ぶれ補正機能は、ミラーアップした瞬間だけ作動する為、
その効果をファインダーを通して見ることは出来ません・

AFスピードに関しては、あまり速くはありません。実用上はほとんど問題無い
遅さですが、迷い始めると勝手にジーコジーコやり始めるので困ります。
キャノンのAFと比べてしまうと、もう異次元の世界(遅さ)です。
AFモーターがボディ側に搭載されているので、AF駆動量の多いレンズでは、
合焦するまでが相対的に遅く感じることになります。

レンズメーカー製のレンズでは、もっと遅くなるので、出来れば純正をお勧めします。

手ぶれ補正機能名称:AS

(有効撮影画角は、表記焦点距離の約1.5倍に相当)
レンズ   35mm判換算  実勢価格
AFズーム75-300mmF4.5-5.6(D) 手頃な価格で手に入るが、望遠端では色収差が残る 112.5〜450mm  2万前後
AFアポテレズーム100-300mmF4.5-5.6(D) 現在使用している1本、コンパクトな上、画質も問題なくオススメ。 150〜450mm  消滅
AFアポテレズーム100-400mmF4.5-6.7 100−300mm購入時に迷いましたが、価格差で妥協してしまったのが悔やまれます。 150〜600mm  消滅
AFレフレックス500mmF8 現在使用している1本、世界で唯一のAF反射望遠で、軽くてコンパクトですが、F値固定、周辺光量不足が顕著に出る為、好き嫌いが分かれるレンズです。35ミリ換算では750ミリにもなってしまい、使い道があるのかどうか・・・ 750mm  6万〜
本当なら、ハイスピードAFアポテレ400mmF4.5など使って見たいと思うところだが
カタログ落ちしてしまいました。

ソニーブランドでのラインナップには、300、400のAPOが抜けてしまっています。
復活を望むか、中古品を探すしか道は無いようです。残念!

オリンパス


フォーザイズ規格が発表されたときには大いに期待したものの
飛行機撮影向けの機種が無くて残念に思っていましたが
やっとCCDシフト方式の手ぶれ補正機能搭載ボディが発表されました。
レンズも増えてきてオリンパスの一眼も魅力的になってきました


    BACKHOME